
プロフィール
武内 彩葉 | Chemistry講座を担当
中学2年生までを日本で過ごし、その後、シンガポールのインターナショナルスクールで4年間を過ごす。国際バカロレア(IB)では MathAA、Biology、Chemistry など理系科目を中心にHLを選択。現在はカナダ・トロント大学のアーツ&サイエンス学部(Faculty of Arts and Sciences)に進学し、人間の思考や知覚、学習のしくみを科学的に探究する認知科学を学んでいる。
かつてはChemistryが苦手だった自身の経験から、同じように不安を抱える生徒に寄り添い、学ぶ楽しさと「できる実感」を届けたい。
「今回の講座ではどのように授業を進めていく予定ですか?」
私が担当するChemistry講座では、4日間でIBDPシラバスの約半分にあたる内容を扱います。かなり広い範囲ではありますが、毎回の授業では、頻出の公式や重要な語句の定義、後々の理解を助けるような「ちょっとしたコツ」も交えて丁寧に進めていきます。
今回の講座は、これからIB Chemistryを始める10年生の生徒でも無理なくついていけるよう設計しました。初めは基礎から入り、少しずつ専門用語や公式に慣れていける構成にしています。特にこれまでChemistryに苦手意識を持っていた生徒にも、「わかる」「できる」を実感してもらえるよう、丁寧なステップを踏んで教えていきます。
また、授業ではオリジナルのワークシートを使用します。このワークシートは穴埋め形式で、ノートが取りやすく、解説と演習が一体化された構成になっています。授業に集中しやすいだけでなく、後から見返した際にも復習しやすいよう工夫されていますので、ぜひ復習にも使ってください!
「Chemistryに苦手意識を持つ生徒の方も多いと思いますが、どのように教えていきますか?」
Chemistryに苦手意識を持つ生徒さんは、定義がおさえられていないことがしばしばあります。しかしChemistryではこの「定義」がそのまま問題に直結することも多く、すべての基礎になります。ですので、この講座ではまず、定義を正確に押さえることをとても大切にしています。
いきなり公式や応用から入るのではなく、まずは言葉の意味や使い方にしっかりと慣れてもらうことからスタートします。毎回の授業で繰り返し定義に触れる機会を設けることで、重要な単語や概念に自然と親しんでもらい、基礎を着実に固め、難しい問題も解ける力を養うような授業を心がけていきます。
「武内さんは、もともとChemistryが得意だったのでしょうか?」
いえ、実はまったく逆で……。高校時代、IB Chemistryは私にとって一番苦手な科目でした。
特に私の高校では、「Chemistryの先生は学校で一番厳しい」と先輩方から聞いていたこともあって、授業が始まる前から不安が大きかったんです。
理系に進む上で切り離せない科目のため選択したものの、最初は不安が的中して、全然点数がとれず成績も一番悪かったです。
「そこから克服されたとのことですが、どのように勉強してきたのでしょう?」
最初は本当に全然解けませんでした。でも、授業で配られたワークシートを何度も繰り返し解いて、「なぜ間違えたのか」「どこがわかっていなかったのか」を一つずつ丁寧に振り返るようにしました。教科書も隅々まで何度も読み返して、とにかく「抜け」がないように意識して勉強していました。
また、色々な勉強法を自分なりに調べて、試していく中で、自分に合ったやり方を見つけていったという感じです。私の学校の先生は、テストに平気で授業プリントから出題してくるタイプだったので、まずは配られたプリントを何度も反復して、細かいところまで覚えました。その後は、難しい問題も解いていって、解法のパターンや考え方を定着させていきました。
あと正直なところ……先生が本当に厳しかったので、「少しでも見返してやりたい」という気持ちもモチベーションの一つでした。でもそれだけじゃなくて、「厳しい先生の授業で頑張っている姿って、ちょっとかっこよくない?」って自分に言い聞かせていたところもあります。
IB Chemistryって本当に濃い内容なので、ここで知識を身につければ、大学に入ってからも必ず役に立つし、きっと少しは楽になる。そう思ったことも、がんばる原動力になっていました。
だから、理由がちょっと不純だったとしても、「かっこよくなりたい」とか「認められたい」っていう気持ちでもいいと思います。そういう思いも、学びの糧になると私は思っています。
「Chemistryを楽しいと感じられるようになったきっかけは何ですか?」
地道に振り返りや復習を重ねる中で、だんだん「つながって見える瞬間」が増えてきたことです。高校時代は、IB Math AA と Chemistry しかやってなかったと言える程のほとんどの時間をかけて勉強していました。それもあり、小さくても自分で理解できたことが増えると、それが自信や楽しさにつながっていったと思います。
「今回の夏期講習、Chemistry講座の魅力はどこにあると考えていますか?」
やはり、たった4日間でIB Chemistryの1年分の「土台」をしっかり学べるという点が最大の魅力だと思います。
これからIBDPのChemistryを始める生徒にとっては、「どこから手をつければいいのか分からない」という不安があると思いますが、この講座はまさにその「最初の一歩」をサポートする内容になっています。
扱う内容の中には、「あ、これ知ってるかも」「この公式、前に見たことあるな」と、既習の知識とつながる部分も多く含まれています。そういった「ちょっとした既視感」があることで、苦手意識のある生徒にもとっつきやすく、理解のハードルが下がると思います。
この講座を受けることで、今後、学校で学ぶ内容への「橋渡し」になるような感覚を持ってもらえるはずです。だからこそ、「これからIBを頑張っていきたい」「でも、ちょっと不安がある」という生徒にこそ、ぜひ参加してほしいですね。
DPが始まってすぐの早い段階から過去問に取り組むことが試験対策として非常に有効な勉強法だと思っています。DPでは時間的な余裕が限られている中で多くの問題を解かなければならないため、基本的な展開や因数分解などが早く解けるよう鍛えておくことが一番大切だと思います。私自身、最後の半年間で過去問を必死に解いていましたが、今思えばもっと早くから取り組んでおけばよかったと感じています。
「受講する生徒が、事前に準備しておいたほうがよいことはありますか?」
特にこれといった事前準備は必要ありません。IBでよく使うような関数電卓でなくても大丈夫です。スマホの計算機で十分対応できます。
「ちょっと気になるから受けてみよう」くらいの軽い気持ちで来てもらって大丈夫です。講座を通して、Chemistryに対する不安が少しでも減ったり、「ちょっと面白いかも」という感覚が生まれたら嬉しいですね。
唯一、持ってきてほしいとしたら、「Chemistryに対する小さな好奇心」です。その気持ちを、授業の中で知識に変えていけるようサポートします。
「授業に不安を感じる生徒もいるかと思いますが、そういった方に向けてメッセージはありますか?」
大丈夫です。この講座は、内容のつながりを意識して組んでいるので、少しずつ積み重ねれば必ず理解できるようになります。穴埋め形式のプリントを使って、インプットとアウトプットを交互にしながら進めていきます。
「今回の授業に対する武内さんの意気込みをお聞かせください。」
IB Chemistryって、どうしても「難しそう」「自分には無理かも」というイメージを持たれがちな科目なんですよね。だからこそ、この夏期講習では「最初の出会い」を何より大切にしたいと思っています。
最初にどんな形で知識をインプットするかで、その後の理解度や興味の持ち方が大きく変わってくるんです。予習の段階って、一番苦手意識をもちやすいですし、最初に「難しい」と思ってしまうと、そこからずっと苦手意識がつきまとってしまうこともある。
だからこそ今回の授業では、「思ったよりわかるかも」「ちょっと面白いかも」と、生徒たちが前向きな第一印象を持てるような授業づくりを意識していきます。
「苦手」を作らないための最初の一歩として、この講座が良いスタートになるように、責任感を持って、教えていきたいです。
「IB(国際バカロレア)を始めた当初、知っておきたかったことはありますか?」
特にIBで扱うChemistryは、日常では出会わない専門用語が多く、最初は戸惑いました。知識が全くない状態で飛び込むと面食らうと思うので、事前に用語や基本の概念を少しでも知っておくと安心感があると思います。
「最後に、受講する生徒さんへメッセージをお願いします。」
最初は誰でも、不安と同時に少しの好奇心を持っていると思います。その「気持ちの揺らぎ」を、楽しさや前向きな学びにつなげていってほしいです。Chemistryだけでなく、他の科目も含めて、IBの学びは「知ることの面白さ」が詰まっています。
そして、この講座が、IB Chemistryを少しでも好きになるきっかけになれば嬉しいです。
講座の最後には、「苦手だったけど、意外と私にもできるかも」と感じてもらえるよう、丁寧にサポートしていきます!
受講生には、応用問題にも積極的に取り組み、チャレンジ精神を持って講座に臨んでほしいと考えています。DPの最終試験を見据え、早い段階から基礎を固めながら、難易度の高い問題にも挑戦していく姿勢がとても大切です。数学は、基礎から応用へと段階的に理解を深めていくことが求められる科目なので、その過程に粘り強く取り組む姿勢が、最終的な成果に繋ると思います。