【IB Extended Essay対策シリーズ⑧】EEは大学入試に使える?EEと大学入試の徹底攻略ガイド

IBのExtended Essay(EE)は、ただの課題ではなく、大学レベルの研究を高校生の間に経験できる貴重なチャンスです。実はこのEE、取り組み方次第で大学入試における強力なアピール材料になります。

この記事では、EEがどのように入試で評価されるのか、そしてどのように活用すれば最大限の効果を発揮できるのかをわかりやすく解説します。

Extended Essayとは?

Extended Essay(EE)は簡単に言うと、IBの卒業論文にあたります。IBのディプロマ・プログラム(IBDP)のコア要素(TOK、CAS、EE)の一つで、英語で4000語(日本語の場合は8000字)の研究論文です。内容も形式もアカデミックな基準が求められ、大学レベルのリサーチペーパーの入門とも言えます。

大学はEEの何を評価するの?

IB生が大学入試に強いと言われる大きな要因の一つが、EEにおいての経験です。大学は、EEを通じて以下のような要素を見ています。

  1. 独立した研究能力
    大学は「自分で問いを立て、調査し、仮説を検討し、分析を進め、結論を導き出す力」を特に重視します。EEではこうした一連のプロセスをすべて一人で行うため、研究者としての基礎能力を直接示すことができます。
  2. 学問領域への深い関心
    大学は志望専攻への関心の深さを見極めます。そのため、専攻と関連したEEは、特に高く評価される傾向がありますし、分野の知識量やリサーチ姿勢を判断する手掛かりにもなります。
  3. 大学で通用する学術スキル
    批判的思考、文献調査、エビデンスベースの議論構築、複雑な情報の整理など、多くのスキルは大学の研究でそのまま活きます。EEはこれらを体系的に練習できるため、大学にとっては「優秀な学習者であるサイン」として映ります。

国別入試制度とEEの関係

EEがどのように評価されるかは、出願する国や大学ごとに異なります。 したがって、どの国に出願するかで、EEの「見せ方」を調整する必要があります。そこで、アメリカ、イギリス、日本の例を見てみましょう。

アメリカの大学は、学術的興味に関して問われるSupplemental Essay の中で研究経験を紹介したり、EEそのものを研究実績として提出できる大学もあるため、EEが非常に使いやすい形式になっています。また、EEの指導教員に推薦状を書いてもらうことで、研究者としての姿勢を外部から評価してもらえる点も強い武器になります。

イギリスの大学では、出願時に専攻分野への強い関心を示すことが求められるのが特徴です。そのため、EEのテーマと専攻分野が一致していると、Personal Statement との相性が非常に良くなります。面接でも研究内容について深掘りされることが多く、EEをしっかり進めている受験生は一歩リードしやすいと言えます。アメリカ出願と同様、推薦状をEEの指導教員に書いてもらうこともアドバンテージになります。

日本では一部の大学でEEの写しや日本語要約の提出が求められる場合があり、面接でも研究内容について問われるケースも少なくありません。さらに、志望理由書の中で研究テーマと大学で学びたい内容を自然に結びつけることができるため、EEは受験生の学問的な関心と意欲を示す上で重要な材料となります。

EEを大学入試で最大限に活かす方法

このように、形式は異なっても多くの大学入試で活かせるEEだからこそ、どう使えば最も効果的なのかを理解しておくことが大切です。

① 研究テーマを志望分野と結びつける

EEは、「あなたの専門的興味の証拠」になります。出願先の学部・専攻と関連のあるテーマで書いている場合、そのテーマをどのように設定し、どのようなアプローチで探究したかを説明するだけで、その分野に対する理解の深さや学びへの意欲が自然と伝わります。また、志望大学で似た研究が行われている場合は、「大学でも研究を続けたい」という明確な意思表示にもなります。

もし専攻と直接の関連が薄い場合でも、扱ったテーマの意義や、研究を通して身に付けた思考プロセスを丁寧に言語化することで、十分に効果的なアピール材料になります。

② EEスーパーバイザー(メンター)に推薦状を書いてもらう

研究プロセスを最も近くで見てきたスーパーバイザーの推薦状は非常に説得力があります。時間管理、分析力、批判的思考、粘り強さなど、あなたの学術的姿勢を具体的なエピソード付きで語ってくれるため、他の推薦状との差別化につながります。ただし、良い推薦状を書いてもらうためには、お願いの仕方にも工夫が必要です。

まず、「なぜ先生にお願いしたいのか」をきちんと伝えることがポイントです。「研究の進め方を最も近くで見ていただいた先生に、私の成長を評価していただきたい」という一言を添えると、内容がより具体的になります。そして、推薦状に書いてほしい内容を指定するのではなく、先生が書きやすいように素材を提供するのが効果的です。たとえば、自分の強み(問題設定力、粘り強さ、共同研究での貢献など)を3つほど挙げ、それを裏付けるEEにおけるエピソードを箇条書きでまとめて渡します。例えば、研究計画の行き詰まりを別の手法で打開した経験などスーパーバイザーが実際に見ていた出来事を思い出せるようにするようにしましょう。

③ 研究内容と学んだスキルを言語化しておく

特にイギリスや日本では、面接で研究について質問されることがあります。
「研究課題をどう設定したか」「どのような方法を使ったのか」「限界点や改善案は何か」などを自分の言葉で説明できるように準備すると、学問的思考の深さを強く印象付けることができます。また、研究を通して学んだスキル(批判的思考、論理的構成力、データ解釈力など)も合わせて言語化しておくと、学問的成熟度を印象付ける大きな強みになります。その際、スキルを列挙するだけでなく、具体的な研究場面と結びつけて説明することで、説得力の高いアピールになります。

④ EEのスケジュールと出願計画を両立する

EEと大学出願が並行する時期は非常に忙しくなります。特にIBの2年目はEE、IA、TOKエッセイなどの提出期限、Personal Statementや各種エッセイの準備が重なるため、EEをどの時期にどこまで終わらせるかを早めに計画しておくことが不可欠です。十分に余裕を持ってEEを完成させることで、出願書類にEEの内容を活かしやすくなるでしょう。

まとめ

EEはIBの中でも特に時間とエネルギーを必要とする課題ですが、その経験を大学入試で活かすことで、受験生にとって大きなアドバンテージとなります。大学は「主体的に学ぶ力」を持つ学生を求めており、EEはまさにその姿勢を示す絶好の機会です。どの国の入試であっても、研究内容に加え、そこから得た学びや思考のプロセスまで含めて伝えることを意識しましょう。

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