「演習問題を通して、IB Biologyの面白さと深い理解を独自の指導方法で伝えたい」

プロフィール

高橋 アリス | Biology講座を担当

国際バカロレア(IB)ではBiology、Chemistry、Math AAと理系科目を中心にHLを選択。マレーシアのインターナショナルスクールを卒業後、筑波大学医学部に進学。現在、学部4年生。IB Biologyだけではなく、ChemistryやMathの指導経験もあるベテラン教師。

演習問題やアウトプットを重要視した指導方法を通して、教科書だけでは得られないIB Biology学習の深い理解度と面白さ、効果的な学習方法を伝えたい。

「今回の講座ではどのように授業を進めていく予定ですか?」

IB Biologyは内容が非常に多く、教科書のすべてが重要に見えてしまうことが多いです。そこで今回の授業では、生徒が何に重点を置くべきかを明確にし、「ここを押さえれば大丈夫」といった指針を与えることでポイントを掴みやすくすることを意識していきます。加え、授業ではスライドに色分けした図や文字を書き込み、視覚的にもわかりやすく工夫します。

また、暗記とは他に練習問題も取り入れて学ぶことで理解を深めていきます。試験で一見簡単に見える問題も、実際に自分の言葉で答えるとなると結構難しいものだからこそ、自分で考えながら答えることを重視する学習を通じて、知識を定着させながらIB Biologyの面白さを実感してもらいたいと考えています。

「他教科との繋がりを意識して教えることはありますか?」

一番関わりが深いのはChemistryですが、授業内では「この内容は他の科目でも扱ったな」と生徒が自然に気づく程度に留めています。IB Biologyの試験に直接影響するような繋がりは多くないため、あくまで補足的に共有する形です。ただし、複数科目で共通するトピックに触れることで、知識の定着や理解が深まることもあると思います。

「Biologyに苦手意識を持つ生徒の方も多いと思いますが、どのように教えていきますか?」

Biologyは暗記量が多く、苦手意識を持ちやすい科目ではありますが、ポイントを絞って暗記を生かした演習が何より大切です。私自身も、知識があっても実際に文章で答えるとなると意外と言葉が出てこないという経験をしてきました。だからこそ、教科書を読むだけでなく、教科書を暗記するだけでは味わえない練習問題を通して実際に「書く」「解く」ことを重視する指導を心がけています。


授業では、「このトピックで何が大事なのか」「試験ではどこが問われるのか」を明確にし、生徒さんが優先順位をつけて学習できるようにします。すべてを覚えるのではなく、「ここを押さえておけば大丈夫」というポイントを伝えることで、Biologyが苦手な生徒の方でも効率的かつ安心して学べる環境を整えていきたいと考えています。

「高橋さんは、もともとBiologyが得意だったのでしょうか?」

私はもともとBiologyが好きで、IBDPの授業が始まるのを楽しみにしていました!中学生の頃から理系科目に強い興味があり、逆に文系にはほとんど関心がなかったんです。医学部志望だったこともあり、出願時に必要な履修科目としてIB Biologyは確実に取る予定でしたが、たとえそれがなかったとしても Biologyを選んでいたと思います。

現在は筑波大学医学部の4年生ですが、大学の勉強はIB以上に暗記量が多く、内容も膨大です。そんな中で、IB Biologyで身につけた学習法が、今でも本当に役立っています。IBでの経験があったからこそ、大学の学びにもスムーズに適応できていると感じており、IB Biologyを選択して本当によかったと実感しています。

「Biologyの有効的な勉強方法はありますか?」

一番効果を感じたのは、アクティブリコールという学習法を取り入れたことです。これは、教科書を何度も読み返すのではなく、一度読んだ内容を自分の力で思い出す練習を繰り返す方法です。たとえば、フラッシュカードを自分で作ったり、最近ならAIにノートを読み込ませて自動で問題を作ってもらうというのも良い方法だと思います。

教科書やノートを読んでいるだけだと、「わかったつもり」になってしまって、実際には覚えていない部分に気づけないことが多いんですよね。でも、一度頭の中から引き出してみようとすることで、どこがあいまいなのかがはっきりしてきて、そこを重点的に見直すことができるようになります。このやり方は特にIB Biologyのように情報量が多い科目にはすごく有効でした。
私自身、12年生からこの方法を取り入れたのですが、IB Biologyの理解と記憶定着にとても役立ちました。今でも大学での学びに活かしている、IB時代に身につけておいて本当によかった勉強法です。

「今回の夏期講習、Biology講座の魅力は何ですか?」

IBスタイルの練習問題を一緒に解いていく形式にしているので、ただ知識を得るだけでなく、実際の試験に向けてどのように答えるべきかという力を養えます。特に、どのような言い回しが求められるか、過去問の傾向なども取り入れながら、実践的なコツも共有していきます。

「ご自身がIBを始めた当時に、事前に知っておきたかったことはありますか?」

勉強=暗記というイメージが強く、最初は教科書を何度も読むことに重点を置いていました。でも、IBでは「知識をどう表現するか」が重要で、試験問題などに取り組む練習が何より大切だと後になって実感しました。文章で答える形式に慣れていないと、知っているはずの内容でも言葉にできないことが多く、もっと早くから書く練習をしておけばよかったと思っています

また、トピックによっては「これもBiologyなの?」と驚くような内容も含まれていて、最初は想像と違ったと感じる生徒もいるかもしれません。IB Biologyは幅広い内容を扱うため、思っていた以上に分野横断的な視点が必要になることも、事前に知っておきたいポイントのひとつだと思います。

「今回の授業に対する先生の意気込みをお聞かせください。」

IB Biologyの最終試験を2021年5月に受験した自身の経験をもとに、今回の講座では実践的な学習法や考え方をできるだけ多くの生徒に伝えたいです。教科書を読むだけの授業ではなく、私自身がIBを通して身につけた学び方を中心に、「このトピックでは何を押さえるべきか」「どう答えたら得点につながるか」を明確に伝えていきます!

IB Biologyを初めて学ぶ方にとっては、導入として、すでに学習したことのある方にとっては、予習や復習の場として活用してもらえればと思います。生徒の皆さんが少しでも自信を持って試験に臨めるよう、全力でサポートします!

「今回の夏期講習はどんな生徒さんにオススメですか?」

特にDP1の生徒さんには、このBiology講座がかなり効果的だと思います。ちょうどIB Biologyを始めたばかりで、基礎がまだ不安定な時期なので、この夏にしっかり土台を固めることで今後の学びがスムーズになるはずです。

もちろん、DP2の方でも「自分のスタイルがまだ定まっていない」と感じている方には、復習として役立ててもらえると思いますし、DPに入る前のグレード10の生徒さんにとっても、IBの雰囲気に触れておく良い機会になると思います。

この講座では、自分に合った学び方を見つけるきっかけにしてほしいなと思っています。また、学年や状況にかかわらず、私の教え方がIB Biologyに取り組むうえでのヒントや、勉強の進め方の参考になれば嬉しいです。

「最後に、受講する生徒さんへメッセージをお願いします。」

IBの魅力って、自分の興味に合わせて科目を選び、自分なりの方法で学びを深めていけるところだと思うんです。Biologyも、最初は難しく感じることがあるかもしれません。でも、「知ることって面白い」「わかると楽しい」「問題が解けると嬉しい」という瞬間を、この夏の講座を通して一緒に見つけていけたらいいなと思っています。一緒に頑張りましょう!